スシローの非正規労働者が「順法闘争」へ マニュアルと客対応で「板挟み」の実態(今野晴貴) - エキスパート - Yahoo!ニュース
スシローの非正規労働者が「順法闘争」へ
マニュアルと客対応で「板挟み」の実態
スシローの順法闘争の内容とは?
実際に、スシローは400ページにも及ぶ業務マニュアルを作成しており、これをすべて守っていては、お客の混雑は避けられないように見受けられる。
まず、労働者側のロスが会社から指摘されていた項目については、次のようなマニュアルがある。
・ネタ定規で規定の長さを順守。疑義あるときはレシピ確認
・重量もレシピを順守
・朝、15時、18時にしゃりg数チェックを行う
・天つゆの釜玉だしと湯の配合は電子はかりで計測する
確かに、どんなに混雑していてもこの規定を守っていれば、グラム数のずれを防ぎ、ロスも減らせるだろう。だが、スシローを訪れたことのある読者ならすぐにわかるだろうが、どこの店舗も混雑時には注文がなかなか来ず、来店客も長蛇の列を作っている。混雑時のキッチンにはテーブルのタブレットからのオーダーがどんどん積みあがっていく。
各握りとか、軍艦と各ポジションのタブレットモニターに表示される、でそれがもうどんどんやっぱ溜まっていくわけですね。 やっぱり早く出さないと。 うん。 経過時間によって0から黄色になって黄色から赤になっていって、焦らされるんですね(「回転寿司ユニオン」担当者)
そのため、グラム計測をしっかりやるのか、お客の注文への対応を急ぐのか、労働者は常に板挟みの状態にある。そこで苦渋の決断として、スピードを優先せざるを得ないというのだ。
同じことは他の場面でもいえる。例えば、空いたテーブルをセットしなおし、次の客を迎え入れるまでの時間だ。お客を待たせないためには最大限のスピードが求められる業務であり、会社側も顧客の入れ替えにかかる時間を計測している。
退席してから次のお客さん案内するまで何分かっていうそれを例えば毎日の平均を職場に張り出されて、しかも近隣店舗とかとの比較を貼り出されて、早くやれ早くやれって急かされるんですね(同)
だが、客の案内やテーブルの片付け・セットについてのマニュアルには次のようにある(一部要約)。
・案内係はお客さまが来たらドアを開けにいく
・発券機の操作もご案内する
・お子さまをお連れの場合、茶わんセットをお席までお運びする
・お席にご案内し、商品おすすめやキッズスタンプカードを確認する
・サービスコールやお客さま対応優先
これらも、完全に実行しようとすれば、どうしてもテーブルの回転が遅くなる。 案内を一人一人丁寧に行うことは、顧客のためになる行為だが、一方で顧客の待ち時間を延ばしてしまうことにもつながるのだ(私自身、このマニュアル通りの接客をされなかったことがあるが、混雑状況を見れば特に不満はなかった)。
このようにマニュアルの実行と、実際の顧客対応の間で労働者は常に人員不足を感じながら、最大限の努力をしてきたという。会社はそんな労働者の事情にまったく耳を貸そうとしていないと彼らは感じている。それが「順法闘争」へとつながったと考えられるのだ。
























