https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10014938771000
AIが役員や同僚に 変わる職場の姿
いまAIの導入によって、私たちの職場や働き方が劇的に変わりつつあります。
すでに役員や同僚として役割を果たすところも。
AIを活用する企業の最前線
AIエージェントを活用する企業では
官公庁や企業向けのAIサービスを手がける大手IT企業です。
この会社では「AIエージェント」を独自に開発し、去年12月から社内で活用しています。グループ会社も含め、およそ6万人の従業員が使えるようになっています。
「AIエージェント」は、利用者が与えた指示に基づいて、ひとつひとつのタスクを実行する従来のAIと異なり、一度指示をすると、その目的を達成するのに必要なタスクをみずから整理し、自律的に仕事をこなしていくAIです。
実際にAIエージェントを使って、顧客への提案書を作成してもらいました。
顧客からの依頼内容を分析したり、過去の類似案件のデータを読み込んだりして、わずか1分半ほどで提案書の骨子とスライドができあがりました。
これまで提案書はベテラン社員が中心になって作成。
提案書の素案を作成するまで、1週間程度かかっていましたが、AIエージェントの登場によって、若手社員でも作成できるようになりました。
削減できた時間や労力は、中身のブラッシュアップや議論にあてています。新たな取引先の開拓にも時間を割けるようになったと言います。
AIエージェントを使う社員
「提案をもっとブラッシュアップするみたいな、本来注力すべきところに取りかかれるようになった。仕事をやる上で本当に欠かせない存在で、私にとって相棒みたいなものだ」
NEC AIテクノロジーサービス事業部門 千葉雄樹さん
「AIエージェントを仕事のパートナーと位置づけ、活用を進めていきたい。仕事の品質を高める方向に効いてくるのが、AIという技術だと思う。全体の仕事がAIエージェントありきで進めていけるようになれば、今までよりずっといい仕事を短時間でこなせるようになっていく、それが目指すビジョンかなと考えている」
AIとどう向き合うか
「AIが人間の仕事を奪うのではないか」。AIという未知の技術に対して、こうした懸念はたびたび指摘されてきました。
ただ今回、AIを積極的に取り入れる企業の取材を通じて、「AIのおかげで業務が効率化され、人間ができることが増える」「AIに入ってもらうことで人間の意思決定の質が上がる」という考えに触れました。
むしろ「AIを活用しないと激しい環境変化に乗り遅れる」という危機感さえありました。AIを使うか使わないかではなく、いかにうまく使いこなすかが重要なのかもしれません。
記者もその変化に乗り遅れることのないよう、功罪を見極めながら取材を続けていきたいと思います。