明日郎の四方山話
明日郎の四方山話
作成日:2023/11/26
@@@ 106万円の壁 130万円の壁【解説】国の支援策で希望通り働ける?



 

「最近時給が上がったから、いつもより働く時間を減らしている。物価高で本当はもっと稼ぎたいけど…」

パートで働く人から、そんな声が聞こえてきます。みなさんが気にしているのは、いわゆる“年収の壁”。一定の年収を超えると、配偶者の扶養を外れて、手取り収入が減ってしまうその仕組み。“年収の壁”を前に、あえて勤務を減らす「就業調整」をしているという人も、いらっしゃるのではないでしょうか。

国はこの「壁」を意識せず働くことができるように、10月から新たな支援策を始めました。

私たちは“年収の壁”超え、希望通りの働き方ができるようになるのでしょうか。


厚生労働省の試算では“年収の壁”を意識している可能性がある人は全国で60万人にのぼるとしています。

国の支援パッケージはどんなもの?

こうした状況の中で政府が打ち出した「年収の壁 強化支援パッケージ」。
内容はどんなものなのでしょうか?
そもそも“年収の壁”は、厚生年金や健康保険に加入している会社員などの扶養に入っている配偶者、例えば夫がサラリーマンの妻などが対象です。

国民年金の「第3号被保険者」と呼ばれ、みずから保険料を支払わなくても基礎年金を受給できます。

この人たちがパートなどで働いた場合、一定の年収を超えると、“みずから保険料を支払う必要”が出て、手取りが減ってしまいます。

その年収ライン“年収の壁”と呼ばれ、今回、その壁を超えて働いても、手取りが減らないように支援しようというのです。


国民年金の「第3号被保険者」と呼ばれ、みずから保険料を支払わなくても基礎年金を受給できます。

この人たちがパートなどで働いた場合、一定の年収を超えると、“みずから保険料を支払う必要”が出て、手取りが減ってしまいます。

その年収ライン“年収の壁”と呼ばれ、今回、その壁を超えて働いても、手取りが減らないように支援しようというのです。

《「年収の壁 強化支援パッケージ」主な内容》

【106万円の壁】
従業員が101人以上の企業などで働く人
▽年収が106万円(月8万8000円)超え
▽週の労働時間20時間以上など

・壁を超えると配偶者の扶養外れ、厚生年金や健康保険の保険料の支払いが発生。
・おおむね年収125万円になると手取り収入が戻る。
・残業代や休日手当などを除いた所定内賃金が月額8万8000円以上が適用の基準。
 このため、それを超えなければ就業調整を行う必要はない。
<支援パッケージ>
賃上げや社会保険料を補う手当を設けるなど従業員の収入を増加させる取り組みを行った企業に3年間で最大50万円を支給。
(10月20日〜企業から申請受付を開始)
【130万円の壁】
従業員が100人以下の企業などで働く人
▽壁を超えると扶養を外れ、国民年金や国民健康保険の保険料を支払う。
▽残業代や休日手当、不動産収入など、すべての収入を基準に判断される。
<支援パッケージ>
「一時的な収入変動だ」と事業主が証明すれば、壁を超えても原則、連続2年まで扶養にとどまれる。
いずれも今回の国の支援策をどこまで利用するのか、企業側の姿勢が問われることになります。

ただ“年収の壁”がなければ本当はもっと働きたいという人にとっては、壁を超えるチャンスが訪れたのかもしれません。



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