【厚生労働省「令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します】
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001275308.pdf
令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況
〜いじめ・嫌がらせの相談が最多
厚生労働省が7月12日、「令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表しました。「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主間における労働条件や職場環境に関するトラブルを未然に防止し、迅速に解決を図るための制度で、「総合労働相談」(都道府県労働局、各労働基準監督署内、駅近隣の建物など379カ所(令和6年4月1日現在)に総合労働相談コーナーを設置し、専門の相談員が対応)、都道府県労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。
◆総合労働相談件数は4年連続で120万件超
公表内容によれば、総合労働相談件数は121万400件で、4年連続で120万件を超え、高止まりの状況です。内訳としては、「法制度の問い合わせ」が83万4,816件、「労働基準法等の違反の疑いがあるもの」が19万2,972件、「民事上の個別労働関係紛争相談」が26万6,160件となっています。
また、助言・指導申出は8,346件(前年度比4.5%増)、あっせん申請は3,687件(同5.6%増)となっています。
◆いじめ・嫌がらせの相談が最多
相談内容等の内訳を見ると、民事上の個別労働関係紛争相談では「いじめ・嫌がらせ」が12年連続最多で60,113件となっており、「自己都合退職」(42,472件)、「解雇」(32,943件)と続いています。パワハラ防止法の全面施行に伴い、この数に同法に規定するパワハラに関する相談は含まれていませんが(「総合労働相談」のうち「法制度の問い合わせ」や「労働基準法等の違反の疑いがあるもの」として計上されるため)、パワハラに限らず、「いじめ・嫌がらせ」については企業の労使紛争のリスクにおいて大きい課題であることがわかります。企業として対策と対応を検討していきたいところです。