高年齢者就業確保措置の実施状況
〜厚労省「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果
◆令和3年4月から努力義務となっている高年齢者就業確保措置
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」により、65歳までの高齢者雇用確保措置が義務付けられていますが、令和3年4月からは70歳までを対象に、「定年制の廃止」、「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」という雇用による措置や、「業務委託契約を締結する制度の導入」、「社会貢献事業に従事できる制度の導入」(創業支援等措置)など、雇用によらない措置(高年齢者就業確保措置)を講じることが努力義務とされています。
人手不足の状況が続く中、高齢者の活用は企業にとって喫緊の課題となっているといえますが、企業の高年齢者就業確保措置の実施状況についてはどのようになっているのでしょうか。
◆70 歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は3割弱
厚生労働省が公表した令和4年「高年齢者雇用状況等報告」(6月1日現在)によると、70 歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は65,782社(27.9%)[前年比2.3 ポイント増]となっています。また、中小企業では 28.5%[同2.3 ポイント増]、大企業では20.4%[同2.6ポイント増]となっており、中小企業のほうが取組みが進んでいることがわかります。
◆継続雇用制度の導入が最多
また、70歳までの就業確保措置を実施済みの企業の内訳を見ると、「継続雇用制度の導入」が51,426社(21.8%)[同2.1ポイント増]で最も多く、次いで「定年制の廃止」9,248社(3.9%)[同0.1ポイント減]、「定年の引上げ」4,995社(2.1%)[同0.2ポイント増]、「創業支援等措置の導入」113社(0.1%)[変動なし]と続いています。
新しく設けられた創業支援等措置の導入などはまだこれからという状況のようです。今後は、人手不足等の状況も踏まえて、他社に先んじた取組みの検討が必要になるでしょう。
【厚生労働省「令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果」】