★★　本年の連合「連合・賃金レポート「サマリー版」」は、厚生労働省が2022 年3 月25 日に公表した「令和３年賃金構造基本統計調査」（2021 年6 月分の賃金等を調査）

作成日：2022/11/16

連合「連合・賃金レポート(2022年10月24日)」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2023/wage_report/wage_report_summary.pdf?5

本年の「サマリー版」は、厚生労働省が2022 年3 月25 日に公表した「令和

３年賃金構造基本統計調査」（2021 年6 月分の賃金等を調査）を分析したもの

です。内容としては、諸外国との賃金水準の比較を充実させるとともに、2023

春季生活闘争において賃上げに取り組む上での要素の１つである物価動向等に

ついても分析を行っています。各組織における春季生活闘争の一助となれば幸

いです。

1 賃金水準の国際比較

　日本の賃金水準は、ＯＥＣＤ加盟34ヵ国中24位で、年ごとに順位を下げています。

2 各国の賃金上昇と物価

　日本は名目賃金、物価、実質賃金いずれも30年間横ばい状態です。

3 日本の名目賃金、実質賃金、消費者物価の推移

　2015年から3年間、名目賃金は微増でしたが、実質賃金は一貫して低下傾向を続けています。

4 平均賃金と個別賃金

　全体的に平均賃金は横ばいなのに、30歳台以降の個別賃金は低下しつつあります。

5 平均賃金と個別賃金の上昇率を比べてみる　

　産業計の24年間の平均賃金は3.4％上昇しましたが、個別賃金はマイナス5.3％です。

6 平均賃金、個別賃金、平均年齢推移　６産業の事例

　平均年齢が下がっている産業では、個別賃金は上昇しています。

7 賃上げと個別賃金水準

　賃上げしたのに個別賃金が上がらないのはどうしてでしょうか。

8 産業別の「１年･１歳間差額」と推移

　回帰分析の手法で産業別の「１年・１歳間差額」を推計しています。

9 「１年･１歳間差額」と賃上げ額、個別賃金水準の推移

　定昇込み賃上げ額が「１年・１歳間差額」を上回ったとき、個別賃金水準は上昇します。

10 所定内賃金ランキング

　最高は証券、航空でした。

11 産業別賃金ポジションと規模間格差の推移

　小売業と銀行業はポジションを下げ、規模間格差は縮小傾向です。

12 性学歴別の標準労働者賃金カーブと生涯賃金

　専門学校卒は、男性では高校卒と、女性では短大・高専卒とほぼ同等の水準です。

13 標準者労働者の賃金カーブ

　10年ごとに見ると、2001年の賃金カーブが最も高水準だったことが分かります。

14 一時金の現状と推移

　1997年以降の約15年間、一時金水準は所定内賃金を上回るペースで低下を続けました。

15 生涯賃金ランキング

　男性大卒者のトップは総合商社、女性大卒者では放送業でした。

16 組合員賃金の推計

　部課長を除外した組合員レベルの水準推計を行っています。

17 45-49歳層の賃金分散推移

　2015年以降男女大卒者の高賃金層（Ｄ9）の水準が急低下しています。

18 男女間の賃金差

　男女間賃金格差の相当部分は役職昇進差によるものです。

19 役職者賃金と昇進モデル別の生涯賃金

　非役職者と課長、部長との賃金差は、2003年頃から拡大傾向です。

20 短時間労働者の賃金

　政府統計の集計方法変更に伴い、短時間労働者賃金の新たな分析枠組みが必要となりました。

21 雇用形態別の構成比と賃金カーブ

　正社員－派遣－契約社員等－短時間労働者（医療、教育を除く)の賃金序列が形成されています。

22 最低賃金と短時間労働者の時給、高卒採用賃金

　最低賃金と短時間労働者時給、小企業高卒採用賃金との差は、徐々に狭まりつつあります。

23 外国人労働者の構成と賃金

　新たな在留資格の「特定技能」も、契約社員等以下の賃金水準です。

連合「連合・賃金レポート(2022年10月24日)」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2023/wage_report/wage_report_summary.pdf?5