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作成日:2026/03/02
★★★初任給に関する企業の動向アンケート(2026年度)








初任給に関する企業の動向アンケート(2026年度)


企業の7割近くが新卒「初任給引き上げ」、
平均引き上げ額は9,462円 “逆転現象”懸念も
〜小規模企業は“原資の壁”で引き上げ半数止まり〜

2026年4月入社の新卒社員に支給する初任給を前年度から引き上げる企業は67.5%となり、前回調査(2025年度、71.0%)からはやや低下したものの、依然として7割近くに達した。

背景には、人材確保や定着率の向上を図る狙いのほか、最低賃金の上昇への対応やベースアップ(ベア)の実施がある。
引き上げ額の平均は9,462円と前年度(9,114円)を上回った。

初任給額の分布では、「20万〜25万円未満」が6割でトップ、「25万〜30万円未満」は2割近くに上昇した。




企業の7割近くが新卒「初任給引き上げ」 


2026年4月入社の新卒社員に支給する初任給[1]を前年度から改定したか尋ねたところ、初任給の引き上げ有無を回答した企業のうち、「引き上げる」企業の割合は67.5%と前年度比3.5ポイント低下したものの、7割近くに達した。
一方で、「引き上げない」企業は32.5%と3割台に上昇した。

初任給を引き上げる企業からは、「人材確保、インフレ対策のため」(メンテナンス・警備・検査)といった声が聞かれた。
また、「物価高で経営は非常に苦しい状況にあるが、人材不足のため人材確保を目的に引き上げに踏み切った」(建設)のように、厳しい経営環境にありながらも、人材確保のため対応を迫られる企業が少なくなかった。

他にも、「賃金テーブル全体のベースアップにともない初任給も引き上がった」(機械・器具卸売)といった声も寄せられ、賃上げの流れが強まるなか、ベアの実施が初任給引き上げにつながったケースもみられた。

一方で、初任給を引き上げない企業からは、「引き上げたいが、既存社員との賃金バランスを考えると難しい。
既存社員に対して大幅な賃上げを行える体力がない」(飲食料品・飼料製造)との声が寄せられた。
「中小企業は物価高騰の影響を大きく受けており、対応が難しい」(その他サービス)との指摘もあり、既存社員の給与が新入社員を下回る“逆転現象”への懸念や、賃上げ余力の乏しさが浮き彫りとなった。
その他、「初任給は2025年度に引き上げたため、2026年度は据え置きを予定している」(化学品卸売)と、前年度の引き上げを理由とする企業も一定数みられた。
全体として、対応に苦慮する企業の姿がうかがえた。

まとめ

本アンケートでは、企業の67.5%が2026年4月入社の新卒社員について初任給を引き上げると回答した。引き上げ額では、「1万〜2万円未満」が47.4%で最も多く、平均は9,462円となった。

初任給額の分布をみると、「25万〜30万円未満」の割合は上昇傾向が続き、2割近くにのぼった。一方で、『20万円未満』は低下傾向にある。こうした動きの背景には、人材確保や定着促進のほか、最低賃金の引き上げへの対応、さらには賃金テーブル全体のベースアップが影響していると考えられる。

しかし、原材料費の高騰や物価上昇で企業コストが膨らむなか、特に中小企業では、初任給引き上げに充てる原資の確保が難しいとの声が複数あがっている。また、全体の賃上げを行う余力が乏しく、既存社員より新入社員の給与が高くなる“逆転現象”への懸念に対応できず、引き上げに踏み切れない、または小幅にとどめる企業もみられた。実際、「中小企業」では「大企業」の賃上げ動向に追随して引き上げに踏み切る動きが広がり、実施割合は「大企業」を上回ったものの、原資の乏しさから引き上げ幅は小幅にとどまり、初任給水準も比較的低い状況が続いている。他にも、前年度に引き上げたことを理由に、今年度は据え置く企業もみられた。このような事情が重なり、初任給を引き上げる企業の割合は前年度をわずかに下回った。

初任給の引き上げは採用面で一定の効果が期待される一方、社内の賃金バランスの調整や人件費総額の増加への対応も避けて通れない課題となる。こうした環境下でカギとなるのは、中小企業における“価格転嫁の進展”である。取引先とのコミュニケーション強化や情報共有の仕組みづくり、コストの見える化など、価格転嫁を実現しやすくするための企業努力に加え、それを後押しする環境の整備など、政府・行政による多様な支援策の充実も不可欠であろう。

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