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作成日:2025/10/30
★★ 東京都・最低賃金に関する企業の実態調査(2025年9月)




東京都・最低賃金に関する企業の実態調査(2025年9月)|株式会社 帝国データバンク[TDB]


東京都・最低賃金に関する企業の実態調査

(2025年9月)

採用時の最低時給1,381円 41円増も賃上げ余力は低下
 〜政府目標の2029年までに最低時給1,500円 達成可能は42.9%〜


SUMMARY

東京都の従業員採用時の最低時給は平均1,381円となった。
前回調査(2024年9月)から41円上昇したが、最低賃金との差額は177円から155円に縮小し、企業の賃上げ余力は低下している。

政府が掲げる「2029年までに最低賃金を1,500円以上へ引き上げる」目標に対して「達成可能」と回答した企業は42.9%だった。

※株式会社帝国データバンクは、東京都に本社を置く4,117社を対象にアンケート調査を実施した。

従業員採用時の最低時給は平均1,381円 賃金の引き上げ継続も、企業の賃上げ余力は低下

正社員、非正規社員を問わず、従業員を採用するときの最も低い時給[1](以下、最低時給)を尋ねたところ、東京都の平均は1,381円となり、前回調査(2024年9月)から41円上昇した。

厚生労働省が発表した2025年度の東京都の最低賃金(以下、最低賃金)1,226円と比べると差額は155円で、
前回調査の177円よりも22円低下した。
企業は、最低賃金の引き上げにあわせて賃上げを継続して行っているものの、「賃金を上げていく必要があるのは理解できるが、それを実現する原資の確保が困難」(小売)といった声が複数聞かれ、徐々に賃上げ余力が低下している様子がうかがえる。

業界別(『その他』を除く)では、『不動産』が1,483円でトップとなった。
以下、『建設』(1,431円)など4業界が東京都の平均を上回った。

 

2029年までに最低時給1,500円以上「達成可能」は42.9%

2029年までに最低時給を1,500円以上に引き上げることが可能かを尋ねたところ、
「既に1,500円以上」と回答した企業は15.1%、「可能だと思う」は27.8%、「どちらともいえない」は24.3%、「可能だと思わない」は21.0%、「分からない」は11.8%だった。

まとめ

厚生労働省が発表した2025年度の東京都の最低賃金は1,226円となり、全国で最も高い水準が続いている。

本調査の結果、東京都の採用時の最低時給の平均は1,381円となった。
最低賃金との差額は155円となり、2024年(177円)に比べて22円低下した。

最低時給の引き上げに対する各企業の努力はうかがえるものの、人件費の上昇や物価高騰などコスト負担の高まりが続き、これ以上の引き上げは難しいという声が多数ある。
さらに近年、最低賃金の改定幅が大きくなっていることにより、企業に賃上げ疲れの様子が表れている。政府目標の「2029年までに最低賃金1,500円以上」は、政府の最低賃金の引き上げペースと企業経営の面から非常に厳しいといえる。


20251029_東京都 最低賃金に関する企業の実態調査(2025年9月)
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