作成日:2025/07/12
★★ 最低賃金予想(2025年度)> 全国平均で1,112円(+5.4%)と予想
明治安田総合研究所「最低賃金予想(2025 年度)」
最低賃金予想(2025年度)
全国平均で1,112円(+5.4%)と予想
〜労働者の生計費上昇が昨年度を上回る引き上げを正当化〜
ポイント
今年10月から適用される2025年度の地域別最低賃金は全国平均で1,112円と、昨年度から+57円(+ 5.4%)になると予想
「通常の事業の賃金支払能力」については昨年度からやや劣っているが、「労働者の生計費」、「労働者の 賃金」の観点から昨年度を上回る引き上げが妥当
石破政権が掲げる2020年代に全国平均1,500円の目標を達成するには、中小企業が人件費の上昇分を価 格転嫁しやすくするにとどまらず、生産性向上を促す政策が求められる
(図表)当研究所の地域別最低賃金予想
<省略>
2.2020年代における1,500円実現のハードルは高い 石破政権は、最低賃金を2020年代に全国平均で1,500円へ引き上げる目標を掲げている。
この目標を達成す るためには2025年度も含め、単純計算で毎年89円の引き上げが必要となる。労働者の生計費が上がっているこ とに加え、日本全体で高まっている賃上げの機運を途絶えさせないために最低賃金の引き上げが必要という意見 に異論はないが、過去にないハイペースのため、拙速な引き上げをすれば中小企業を中心に雇用への影響が出か ねない。また、先行きはトランプ関税が企業業績の悪化につながる懸念もある。
最低賃金の大幅な引き上げを継 続的に行なうためには、中小企業が人件費の上昇分を価格転嫁しやすくするにとどまらず、省力化投資や事業承 継への支援など生産性向上を促す政策の実施が政府には求められる。
本レポートに関するご取材やお問い合わせは以下までご連絡ください