https://rc.persol-group.co.jp/news/202502131000.html
上司からの信頼が職場を変える:
信頼構築の「正」と「負」のらせん関係が判明
1. 新たな信頼形成メカニズム「信頼のらせん関係」とは
本調査では、リーダーとメンバー間で形成される「信頼のらせん関係」に関する新たなメカニズムが検証された。このメカニズムでは、
@リーダーがメンバーを信頼することを起点とし、
Aその信頼をメンバーが感じ取り(被信頼感)、
Bメンバーはよりリーダーを信頼するようになって、
Cリーダーがメンバーからの信頼を感じ(被信頼感)、よりメンバーを信頼するようになる循環的な相互作用を表している。協力組織(5組織:リーダー304名、メンバー1,848名のペア)において、3か月間にわたるデータを分析した結果、
この信頼関係が時間経過とともにらせん的に深化していく傾向が確認された。
また、信頼関係には、より良好となる”正”のらせん関係と、逆に崩壊に向かう”負”のらせん関係が確認された。
2. メンバーへの信頼を高めるリーダーの行動
信頼関係の起点として、リーダーがメンバーを信頼するには、「拡張型の人材観」(人は努力と環境次第で成長できるという信念)や「他者基準の期待」(画一的ではなく、個々の特性や役割に応じた期待のかけ方)が鍵となることが明らかになった。
特に、メンバーが早いレスポンスや能動的な行動(先取り行動、適切な報連相)を取る場合、リーダーの信頼が強化される傾向が見られた。
一方で、「固定型の人材観」(能力は固定的で変化しないと考えるリーダーの価値観)はメンバーへの信頼を阻害する要因として作用することも確認された。
これらの結果は、リーダーの価値観や考え方が、メンバーとの信頼関係を築くうえで重要であることを示している。
※本調査を引用いただく際は、出所として「パーソル総合研究所・九州大学大学院『上司と部下の信頼関係に関する研究』」と記載してください。
※調査結果の詳細については、下記URLをご覧ください。
URL:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/spiral-relationship-of-trust.html