作成日:2024/11/29
★★ 「オフボーディング(欠員発生時の組織的取組)に関する定量調査を発表量調査」の結果
https://rc.persol-group.co.jp/news/202411271000.html
株式会社パーソル総合研究所
組織欠員の77%が補充されず、残業増加と退職連鎖のリスクに
人材流動化時代に必要な“円滑な業務引き継ぎプロセス”とは
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労働市場の流動化を背景に、新規採用者を組織に迎え入れ、戦力として成果に結びつける『オンボーディング』が多くの企業で積極的に実施されています。その一方で、組織と退職者が良好な関係を保ちながら、業務の引き継ぎやセキュリティリスク対策を行い、将来的な再雇用や企業の評価向上などを図る『オフボーディング』の重要性も、ますます高まっています。
本調査では、オフボーディングにおける欠員発生時の業務の「アサイン」「引き継ぎ」「理解」に着目し、退職や育休・産休などで欠員が発生した際に組織内で何が起こるのかを明らかにして、欠員発生後の適切な対応方法を探ることを目的としました。
主なトピックス
欠員の実態
- 欠員発生後の組織では、後任・上司ともに残業時間が伸び、バーンアウトリスクが高まる傾向。
- 欠員発生後、40.0%が「他にも退職する人がいそうだ」と感じている。
業務の割り振り
- 欠員発生時の上司からの業務の割り振りの特徴は、類似業務の担当者に引き継がせる「横滑り」(48.3%)や、部下の業務量がおおよそ均等になるようにする「均等割」(41.5%)の指示が多い傾向。
- 上司が成長を期待する部下に業務を多めに割り振る『育成志向』による指示は問題が発生しにくく、積極性や責任感が向上しやすい。他方、業務を「横滑り」や「均等割」などで割り振る「平等志向」は問題や上司による業務の巻き取りは発生しにくいが、積極性や責任感は向上しにくい。
業務の引き継ぎ
- 業務の引き継ぎを実際に行った割合は77.6%で、5人に1人以上は業務の引き継ぎがないままチームから離れている。
業務の理解
- 業務を引き継ぐ後任のおよそ半数にあたる47.1%が引き継ぎ時間に不足感を覚えている一方、前任は約3割にとどまる。後任の時間の不足感を職種別に見ると、「商品開発・研究職」が最も高く、「事務職」が続いている。
- 業務を円滑に引き継ぐ時間を確保できないチームには、暗黙の了解や背景知識でコミュニケーションが成り立つ「ハイコンテクスト文化」、「トップダウン志向」、「日常的に休みが取りにくい」という特徴がある。
- 後任がチームメンバーと連携して業務の引き継ぎ対応をすることで、引き継ぎ時間の不足感が軽減され、業務の理解度が高くなる。
オフボーディングの重要性を認識した上で、今後はオンボーディングと同様に戦略的に位置付けることが求められる。企業においては、労働力不足が深刻化するなか、退職の連鎖を招かないためにも、欠員発生時の対応を強化すべきだろう。また、働く人にとっては大きな負荷がかかる場面ではあるが、それぞれ良好な関係を保ちつつ、気持ちよく送り出し、送り出されるようにしたい。
※本調査を引用いただく際は、出所として「パーソル総合研究所」と記載してください。
※調査結果の詳細については、下記URLをご覧ください。
URL:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/offboarding.html
※構成比の数値は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、個々の集計値の合計は必ずしも100%とならない場合があります。