作成日:2024/07/29
★★ 人手不足倒産、過去最多ペース 「2024 年問題」が直撃
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人手不足倒産、過去最多ペース 「2024 年問題」が直撃
〜 建設・物流業が全体の約 4 割、小規模事業者で多数 〜
人手不足による企業経営への影響が、一段と深刻化している。従業員の退職や採用難、人件費 高騰などを原因とする「人手不足倒産」は、
2024 年上半期(1-6 月)に 182 件発生。年間として、 過去最多を大幅に上回るペースで推移している。
2024 年 4 月より、運転業務や建設業務の時間外労働に上限規制が適用されたことで労働力が不 足する、
いわゆる「2024 年問題」の影響から建設業は 53 件、物流業は 27 件と年上半期としては それぞれ過去最多だった。
また、「従業員 10 人未満」の企業が全体の約 8 割を占める。
就業者数 の増加が続き人手不足はやや落ち着きをみせているものの、人手不足感は依然高水準で推移して いることから、今後も小規模事業者を中心に倒産に追い込まれるケースが増加する可能性がある。
人手不足は緩和傾向、一方で 1 人の退職が大打撃となる小規模事業者は今後も苦境か
2024 年上半期(1-6 月)の人手不足倒産は 182 件に達し、前年同期の 110 件から大幅に増加し た。
統計として遡れる 2013 年以降の最多件数を 2 期連続で更新するなど、深刻な現状が浮き彫り となった。
特に「従業員 10 人未満」の小規模事業者の人手不足倒産は全体(182 件)の約 8 割に あたる 143 件(前年同期 84 件)にのぼった。
今年 5 月の労働力調査(厚生労働省)によると、就業者数は 6766 万人となり 22 カ月連続で前 年同月を上回り増加傾向が続くなど、足元では人手不足感は高水準ながらも低下に転じる兆しが みえる。
一方で、転職等希望者は 1000 万人を超え過去最多を更新するなど、労働市場の流動化が 加速している。
従業員数の少ない小規模事業者では、退職者が出ればダメージは大きく、事業継 続の断念につながるケースが増えそうだ。
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