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作成日:2024/06/08
★★ 「カスタマーハラスメントに関する定量調査」



https://rc.persol-group.co.jp/news/202406051000.html

「カスタマーハラスメントに関する定量調査」



※本調査を引用いただく際は、出所として「パーソル総合研究所」と明記してください。

※調査結果の詳細については、下記URLをご覧ください。
 URL:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/customer-harassment.html


主なトピックス

実態編

  1. 顧客折衝があるサービス職の35.5%が過去に顧客からのカスハラ・嫌がらせを受けた経験がある。また、20.8%が3年以内に被害経験がある
  2. 被害経験者の32.6%が、ここ3年でカスハラ経験が「増加」と回答。(「減った」は13.8%。「わからない」は6.9%)
  3. 3年以内のカスハラ経験率が最も高い職種は「福祉系専門職員(介護士・ヘルパーなど)(34.5%)」 。経験率と離職率をマップ化すると、「福祉職(介護士・ヘルパーなど)」、「宿泊サービス」、「受付・秘書」は経験率と離職率がともに高い。
  4. 性年代別では、男女ともに「若年層」のカスハラ経験率が高い
  5. 3年以内に、顧客から口コミサイトやSNSで嫌がらせの投稿をされた経験は34.2%。「投稿5回以上」の被害経験も13.5%となった
  6. 被害内容は、「暴言や脅迫的な発言(60.5%)」が最も高く、「威嚇的・乱暴な態度(57.7%) 」、「何度も電話やメールを繰り返す(17.2%)」と続く。
  7. カスハラの加害者の属性は「初対面の客」で46.3%、次に「常連客」で41.0%。性別・年代層をみると、「女性」よりも「男性」が多く、年代では「高齢層」ほど多くなる

 

<現場・会社対応>

  1. 会社側の対応は、「嫌がらせの被害を認知していたが、何も対応はなかった」が36.3%で最も高い。認知無しも19.3%
  2. 被害を相談した被害者の25.5%が社内でのセカンド・ハラスメントを経験(ここでのセカンド・ハラスメントとは、ハラスメント被害者が、被害を報告・相談した時に起こるハラスメントのことを指す)

 

<心理的影響>

  1. カスハラ直後の心境として、「仕事を辞めたいと思った」が38.0%、「出勤が憂うつになった」が45.4%と高い
  2. 1年以内の「カスハラ被害あり層」と「被害なし層」を比較すると、あり層は「違う会社で働きたい」「今の会社を辞めたい」「今の職業を変えたい」といった転職意向が1.8倍-1.9倍高かった。また、年間の離職率平均も1.3倍高い

 

<企業の取組>

  1. カスハラの予防・解決策は、「実施されていない(43.0%)」が最も高い(従業員認知)。
    取り組みの内容は、「社内に相談窓口が設置されている(47.5%)」、「クレームやハラスメントの事例が社内で共有されている(39.5%)」が続く。
  2. カスハラ対策・予防施策のギャップについて、従業員の期待度に対して企業の実施率が低い項目は、電話応答での自動録音。次に、対外的な方針・態度の公表、名札のフルネーム表記廃止

 

対策編

  1. 何かあっても同僚・会社・上司が助けてくれるという「信頼資産」が高い群は低い群と比べ、カスハラ後の心境として「仕事を辞めたい」が23.2ポイント低く、およそ半減。「心身に不調をきたした」は14.9ポイント低い。一方で、トラブルがあると自分では何もできない、対応できないと感じる「心の負債」はその逆の傾向。
  2. 信頼資産・心の負債には、「組織文化」「カスハラ知識の有無」「相談ネットワーク」の3つの要素が影響。
  3. 信頼資産が高い組織は、チームワーク志向・自由闊達・開放的な組織文化が高い。低い組織は、顧客意向の尊重と属人思考が強い。知識とネットワークは、それぞれ高い層ほど信頼資産が高く、心の負債が低い
  4. カスハラ後の会社対応によっても、その後の信頼度は変化。カスハラを「認知あり、対応なし」の場合ではその後の会社信頼度・相談しやすさが大きく下がり、「対応あり」の場合には上がっている。
  5. 部下からの信頼度が高い上司は、部下の成長への志向性が高く、傾聴・観察、成長支援、率先垂範を積極的に行っている。一方で、信頼度が低い上司は顧客志向だけが強い
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