“つながらない権利”によって勤務時間外の連絡を拒否したいと思っている人の割合は72.6%〜連合の調査結果から
テレワークや副業などの広まりから働き方が柔軟になった一方で、勤務時間とプライベート時間の区別がつけづらくなってきています。
連合が実施した、勤務時間外の業務上の連絡に関する意識や実態、“つながらない権利”に関する意識調査から注目すべき点をご紹介します。
◆調査結果のポイント
○「勤務時間外に部下・同僚・上司から業務上の連絡がくることがある」72.4%
その頻度は、「ほぼ毎日」(10.4%)、「週に 2〜3 日」(14.3%)、「月に2〜3日」(12.1%)、「月に 1 日以下」(17.9%)。業種別にみると、[建設業](82.7%)が最も高く、次いで[医療、福祉](79.6%)、[宿泊業、飲食サービス業](78.0%)となっています。
○「勤務時間外に部下・同僚・上司から業務上の連絡がくるとストレスを感じる」62.2%
また、その連絡の内容を確認しないと、内容が気になってストレスを感じると回答した人の割合も、60.7%ありました。同様に、取引先からの連絡については、59%の人がストレスと感じているようです。
○「“働くこと”と“休むこと”の境界を明確にするために、勤務時間外の部下・同僚・上司からの連絡を制限する必要があると思う」66.7%
また、「取引先からの連絡を制限する必要がある」と回答した人の割合も67.7%ありました。
○「“つながらない権利”によって勤務時間外の連絡を拒否できるのであれば、そうしたいと思う」72.6%
一方で、「“つながらない権利”があっても、今の職場では拒否は難しいと思う」と回答した人は62.4%いて、業種で見ると、[建設業](74.1%)が最も高く、次いで[宿泊業、飲食サービス業](73.2%)[医療、福祉](72.8%)となりました。
◆“つながらない権利”の法制化
勤務時間外に仕事上のメールや電話への対応を拒否できる権利、いわゆる「つながらない権利」は、日本では法制化されていません。法制化されたとしても、業種によっては、特殊性や緊急性によって、権利を十分に行使できない可能性もあります。また、拒否することによる勤務評価やキャリア形成への悪影響を心配する労働者もいます。
権利を行使したい反面、行使することによる不安を強く感じる人は多いでしょう。今後日本でどのように法整備されるのか、注目です。
【日本労働組合総連合会「“つながらない権利”に関する調査2023」】
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20231207.pdf?6597